運命の時計台前から始まる、四つの並行世界。
京都の大学に通う私は、何の実益もないままに三回生を迎えた。
とりわけ、あの男と出会ったことへの後悔の念は拭えない。
二年前の春、私がした選択は正しかったのか。
映画サークル、謎の弟子募集、三人の乙女、秘密機関〈福猫飯店〉…
私はこの手で「薔薇色のキャンパスライフ」を掴むはずだった――